「上げます」と「下さい」

「上げます」と「下さい」

上げます1NHK の「朝イチ」(2013年2月22日に放映)にご出演されていた、三輪明宏さんのコメントの中に興味深いお話がありました。それは、「上げます」と「下さい」について。いつも何かを「欲しい」「欲しい」、つまり「下さい」「下さい」と思っているとエネルギーが下がってしまい、逆に「上げます」という行為は人のエネルギーを上げることになる。
英語においても、GIVE&TAKE とは言うけど、TAKE&GIVE とは言わない、という内容のお話でした。確かにその通りです。

『我欲』は人の波動を下げ、『奉仕』は人の波動を上げるという、単純な宇宙の摂理です。
「下さい」は欲しいという欲求から生まれる言葉で、○○をして欲しいというお願いか、何かモノを要求する時に使う言葉であります。一方、「上げます」は、奉仕の精神から生まれる言葉で、○○をして差し上げるという行為か、または、モノを差し上げるという施しを表す言葉であります。「言う」の丁寧な表現は「申し上げます」ですが、昔の日本人は、言葉を差し上げる気持ちで使っていたのかもしれませんね。

 考えてみると、「下さい」という言葉は日常で頻繁に使っている言葉の一つであります。言葉というものは波動を持っていて、自ら発したものは、必ず自らに戻ってくると言われています。これもまた、宇宙の摂理です。

三輪明宏さんの「上げます」と「下さい」の逸話から学ぶべきことは、いつも何かを欲しい、欲しいと思っている「自己益」よりも、常に他者や外界への思いやりの心で「他者益」を優先していれば、自然に自分にとって必要なコト、モノがもたらされるという事ではないでしょうか。
GIVE&TAKE「差し上げれば ⇒ 頂ける」ということ。相手があれば、両者がWIN,WIN(ウィン・ウィン)の関係、つまり、双方が円満な関係で良き結果を得る、ということもあるでしょうし、相手はなくとも常に「他者益」の精神でいれば、おのずと良き結果が巡ってきますよ、ということにもなります。

有形無形、あらゆるものには波動があります。モノだけではなく、言葉、行い、愛、心などを外部に差し出すという「差し上げる」という無償の精神が、結果的には自らの『徳』を上げることになるように思います。「差し上げる」からには「見返り」も期待したくなるのが人間ですが、ぐっとこらえましょう。
「無欲の勝利」という言葉もあります。『得』を捨てたら『徳』が得られるのかもしれません。

 

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