香りと脳のメカニズム~リラックスのために、アロマテラピーの薦め

香りと脳のメカニズム~リラックスのために、アロマテラピーの薦め

香りと脳のメカニズム

香りは脳にダイレクトに伝わり、快適か不快かを感知します

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人間の五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)のうち、嗅覚(きゅうかく)で得た情報が最もダイレクトに脳に伝達されると言われています。
鼻から嗅いだ香りや匂いは最初に、脳の「大脳辺緑系(だいのうへんりょくけい)」に直接伝わります。大脳辺緑系の主な働きは、生命維持に必要な本能(食欲・性欲・睡眠欲・意欲など)や感情(喜怒哀楽)を司ることで、 自律神経調節のための中枢的機能を持つ「視床下部(ししょうかぶ)」を調節する働きもあります。
大脳辺緑系は、快適か不快かを本能的に嗅ぎ分ける本能的、原始的脳でもあるので、嗅いだ香りの好き嫌いが、本能的意欲や感情、自律神経にダイレクトに影響を与えることになります。

 自律神経とは・・・

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自律神経は、生命を維持する上で重要な体の機能をコントロールしております。循環器、消化器、呼吸器などを調整するために24時間働き続けている神経です。自分の意志や意識で働かせることのできない神経でもあります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は体が活動している時や昼間に活発になります。また、副交感神経は体が休息している夜や睡眠時に活発になります。その2つのバランスが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。いわゆる「自律神経の乱れ」です。

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自律神経のバランスがくずれる最大の原因は、不規則な生活やストレスにあると言われます。
不規則な生活とは自然のリズムに反した生活スタイルです。昼と夜の逆転した生活、寝不足、不規則な食生活や食事時間などです。
また、ストレスの原因には二通りあります。すぐに思い浮かぶのは、仕事や人間関係などで生じる「精神的負担」(不満、不安、緊張、イラダチ)です。そして、忘れてはいけないのは、気温や気候などの急激な変化や環境汚染、電磁波などの環境的ストレスによる「身体的負担」です。特に気温や気候の変化は防ぎようがなく、無意識のうちに大きな身体的ストレスになってしまいます。そのため、季節の変わり目には自律神経失調症が起こりやすくなります。

自律神経のバランスをキープするには、生活の在り方や自らの考え方を見直すことは大前提であります。なるべく自然のリズムに即した生活スタイルに正し、意識転換をはかる事で精神的ストレスも減らしていくことは可能です。それでも、心的、身体的ストレスの軽減は一筋縄ではいきませんね。ましてや、自分が生きている社会や環境という枠の中で、人間関係や環境自体を変えることはとても困難な事です。皆さん、ご自身がリラックスできる方策を模索されているのではないでしょうか?

そこで、アロマテラピーの薦め

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アロマテラピーは植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)の香りや力を借りて、心や身体のトラブルを穏やかに回復し、健康増進に役立てていこうとする芳香療法です。
前述のように、香りは嗅覚によって大脳辺緑系にダイレクトに伝わり、その香りを快適であると認識すると、人の心や気分、体にプラスに作用していきます。さらに自律神経のバランスを調整し、ストレス解消やリラックス、活力などを促します。

その時々の精神状態や体調によっても、好きな香りは左右されますし、季節によっても好ましい香りは違ってくるでしょう。好きな香りを取り入れたアロマテラピーは自分の脳が喜び、元気になるお手軽な方法です。

好きな香りのエッセンシャルオイルを何本か揃えて、その時々に応じて使い分けたり、ブレンドしてみたり・・・また、様々な生活のシーンで香りを取り入れて、植物のパワーで元気になりましょう。

梅雨時から夏にかけてのおススメの香りに関しては、コラム「薫風の候、今こそ香りに誘惑されてみませんか?」に掲載させて頂いております。ご参照ください。

エッセンシャルオイル(精油)活用術

芳香

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デフューザー

市販のデフューザーを購入し、商品の取り扱い説明に従って、水と精油を入れます。室内にエッセンシャルオイル(精油)の香りが拡散されます。アロマポットと違い、火を使わないので安心。タイマー機能の付いたものなら、就寝時にも便利です。

コットン・ティッシュ

コットンやティッシュにエッセンシャルオイル(精油)を1~2滴垂らして、就寝時に枕元に置いてみたり、仕事のデスク上に置いてみたり、家事の合間の休憩タイムにテーブルにおいてみたり・・・様々なシーンで最も簡単に芳香をお楽しみ頂けます。
就寝時にお勧めのオイルはラベンダーウェーブリズム・ブレンド(ドテラ)アースリズム・ブレンド(ドテラ)など。

エアコン・扇風機

エアコンの吹き出し口や扇風機にリボンなどを結び、エッセンシャルオイル(精油)を1~2滴垂らします。吹き流しのようにリボンがヒラヒラと舞い、香りが部屋中に広がります。てっとり早く香りを部屋に充満させる良い方法です。ハナレイの店頭でも作動中。お勧めです!

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アロマバス

エッセンシャルオイル(精油)を3~5滴、お湯をはったバスタブに垂らして入浴します。香りを楽しみながらリラックス、至福の時をお過ごしください。

フットバス(足湯)

洗面器などにお湯を入れて、エッセンシャルオイル(精油)を2~3滴垂らし足浴します。足がポカポカと暖まり、うっすらと汗をかく程度までお入りください。浄化と保温のためには粗塩をひとつかみ入れてみても良いでしょう。注意点としては、お湯が冷めないうちに上がりましょう。長く入りたい場合は、熱湯を近くに置いて注ぎ足す方法もあります。足が暖まると血行が良くなり、疲労も解消できます。夏のクーラーで体が冷えている時や足のむくみが気になる時にお勧め。テレビを見ながら、好きな音楽を聴きながら、お気軽にお試しください。

スプレー

スプレーボトルの作り方

50mlのスプレーボトルで作る場合

空のスプレーボトル(50ml)と下記材料を用意します。
●無水エタノール 5ml~10ml
●精製水 40ml~45ml
●エッセンシャルオイル(精油) 5~15滴ほどお好みで
合計滴数内で数種の精油をブレンドしても可

①スプレー容器に、無水エタノール(消毒用エタノールでも可)5ml~10mlを入れて、エッセンシャルオイル(5滴~15滴)を入れてよく振ります。
②精製水40ml~45mlを入れてさらによく振ります。
③仕上げにボトルを手の平の上で数回トントントンとすると安定します。

※エタノールを入れるのはエッセンシャルオイルがよく混じるからです。保存もしやすくなります。
※冷暗所に保管して2週間以内に使いきってください。
※無水エタノールと精製水は薬局で、比較的安価で購入できます。

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マッサージ

マッサージオイルを作り、体に塗ってセルフ・マッサージを行います。マッサージオイルを適量手に取り、両手のひらをこすり合わせて手の熱で軽くオイルを温めます。それから、足のすね、足裏、ふくらはぎ、お腹、腰、肩、背中などマッサージしたい部分にオイルをのばして、指と手のひらを皮膚に密着させてマッサー ジを行います。オイルを継ぎ足しながら行います。

マッサージオイルを作るには、エッセンシャルオイル(精油)の他にベースとなるキャリアオイルが必要です。キャリアオイルに向いているオイルとして、ホホバオイル、グレープシードオイル、スイートアーモンドオイルなどが挙げられます。

ホホバオイル 
全ての肌質に合うオイルで比較的さらさらとした手触り。酸化し辛い特徴を持っているため、長期間保存できるというメリットがあります。

グレープシードオイル
ぶどうの種子から抽出されるオイルで使い心地が軽く、さらさらとさっぱりとした手触りで、粘性が低いため、皮膚に塗布すると楽に広がります。ほぼ無臭なので、あらゆる香りに馴染みやすい特徴を持っています。全ての肌質に合いますが、刺激性が低く、敏感肌や脂性肌には特に適しております。ビタミンEが豊富に含有されています。

スイートアーモンドオイル
ほのかに香ばしいアーモンドの香りがしますが、精油の香りを損なう程ではありません。適度な粘性を持ち、深いリラックス感を与えるのが特徴です。ビタミンA、B、Eなどの栄養分を豊富に含まれており、全ての肌質に合いますが、乾燥肌に特に適しています。無刺激でありながら栄養が豊富なため、フェイシャルマッサージや基礎化粧品の原料としても幅広く使用されています。

マッサージオイルの作り方

1. 遮光ビンにキャリアオイルを入れます。
2. キャリアオイルにエッセンシャルオイル(精油)を加え、竹串などでよくかき混ぜて希釈します。さらに安定させるためには、手のひらの上でビンを数回トントントンとすると良いでしょう。
キャリアオイルに対しての精油の濃度は1%程度がのぞましいとされています。
50mlのキャリアオイルに対しては0.5mlの精油(10滴)、30mlのキャリアオイルに対しては0.5mlの精油(6滴)となります。

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吸入

鼻づまりや花粉症が気になる時など、呼吸器系の緩和をしたい時は、お湯を入れたコップにエッセンシャルオイル(精油)を1滴入れて、その蒸気を吸入しましょう。目に染みることがあるので、目を閉じて行いましょう。お勧めのオイルはティートリーペパーミント、ユーカリ、イージーエア・ブレンド(ドテラ)などです。

注意

子供、妊婦さん、持病のある方、皮膚に炎症のある方、皮膚の弱い方、アレルギーのある方はエッセンシャルオイル(精油)の種類や分量に注意が必要です。医師や専門家に相談してからアロマテラピーを取り入れましょう。
お年寄りや既往歴のある方は基準の半分以下の精油の分量から試してみましょう。
3歳未満の乳幼児は芳香浴以外は控えましょう。お子さんは精油の分量を成人の1/10~1/2程度にとどめましょう。

ウェルネスライフスタイルのすすめ

化学物質を取り入れない健康的なライフスタイルです。
香りは全て脳に伝わっていくものなので、まずは家の中の香りを天然のものへと見直してみましょう。
合成の香りから天然の香りへと見直すだけで、精神状態や体調はかなり改善されて行くものです。


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